13 Dieppoise デュポワーズ

ヌメア沖、タブーリーフすぐそばの海底には、1988年1月19日に沈められた元フランスパトロール戦艦「デュポワーズ」が眠っています。35年間の現役中11年をこのニューカレドニアで過ごしました。

通常、フランス海軍の船は他の国などに引き上げられないよう、軍の機密が漏れないように深海へと沈められることになっているのですが、この船は初めてリーフの内側に沈められ、引退した今も、ダイバーたちの必見人気ポイントとしてこの地で大活躍しています。

P655、最後の10分間、、、454,972海里、19回の職務航海の後

デュポワーズでのダイビング

19年もの間海底に沈み続けている船体の木造部分はすっかり腐食し、アルミニウムのしっかりとした骨組みだけが残され、船内がすべてオープンになっています。そのため空気の通りもよく、安全と楽しみが保証された状態で、船内のほとんどの部屋を隈無く見て回ることができるのです。

何千匹という小さな魚たちの隠れ家と化している船内の各部屋。船員たちと船長クラスを隔てていた中央の壁がすでに消え去った食堂、船長室や地図室の上にある、さらに明るい操舵室、どれもこれも見逃せません。上方デッキのキャプテンシートにも座ってみてください。

珊瑚や植物に取り囲まれた雰囲気満点のフランス海軍戦を楽しめる美しいダイビングになります。アジの群れが小魚に突っ込んでいくシーンもよく見られ、船体にはウミウシも発見できます。

デュポワーズの歴史、爆破、その後

ポートアーサーにて誕生

デュポワーズは1952年6月21日にカナダのポートアーサーで誕生し、1962年にはフランスのブレスト、1972年にはマダガスカルのディエゴスアレを基地とし、そして1976年6月29日にヌメアに到着。
ニューカレドニアにおいては、主に海洋巡視船、その他の役目を果たし続ける。
フランス国旗の元、454,972海里の旅をし続けた巡視船は、今、珊瑚の海で何世代日もわたるダイバーたちに見守られながら、その名前を世界のログブックの残しながら、ゆっくりと朽ちていっている。

沈没

1987年12月30日、当時の海軍司令官は、巡視船デュポワーズを1988年1月12日の朝に環礁内に沈めることを発表。

しかしこの予定されていた日は、サイクロン"アン"によって中止となり、1月19日"ピバー”に引かれ、デュポワーズは現在眠っている位置に到着。

ほかの船員の撤収後、最後の4人の乗員が最終護送中も船上にとどまり、沈める準備を開始。木造の船体に、2メートル四方ほどの、深みへ送り出すのに十分な穴をあけるのに必要な爆発物が、船首に一つ、船尾に一つ仕掛けられた。
午前9時17分、最初の爆発音とともに煙が上がり、30秒後に2発目。
4分後、船体は、左舷側に大きく直立し、午前9時25分水面がデッキ上に達した。見物の人々は、巡視船P665の苦痛に沈黙を捧げた。
水面レベルが船体を上昇するにつれ、P665は水中に姿を消し始め、、、船尾が消え、、、そしてついにデュポワーズと認識できる黒い数字も見えなくなった。午前9時30分、白く泡立った水が巡視船を新しい、そして最後の運命に導いていった。

写真は、"Le Nouvells caledoniennes" より
GPSポジション:
22°29’10S
166°26’40E

沈船は、深度26メートル、タブーリーフの北側に強風から守られるように、そそり立っている。

写真:ヌメアダイビング
サンバーント
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