11 フンボルト

1993年9月9日に、ダンベア水路のすぐ近く、ハニバルリーフの内側の海底に沈んだ船、通称「フンボルト」。実はこの船、本名「福寿丸」という日本漁船なのです。

イルデパンとノーフォーク周辺(海底600m)での数週間に渡る漁のため、30名の乗り組み員とともに1989年にヌメアに到着した「福寿丸」は、親会社倒産のあおりを受け、その古い船体を海底に沈める運命となりました。

1993年9月7日にダンベア沖で沈船作業が始まったものの、船の先端は海抜22mの海底に達しながら、まるで逆立ちするような形で船尾を海上に残したまま、福寿丸は丸2日間沈没船になることを拒み続けます。結局最後は60kgのダイナマイトによって海底に沈められた反逆者「福寿丸」は、その後ダイバーたちの人気スポット「フンボルト」として生まれ変わりました。

***フンボルトでのSCUBA DIVING***

フンボルト探検は、船体左側から前方デッキへと続く手すり(海底約13m)からスタートします。冷蔵室のドアが大きく開いているので、小魚たちの大群の中を通り抜け、沈船時の爆弾の影響で大きくえぐられた穴へとたどりつくまでに、船内をくまなく見てまわることができます。操縦室には舵取りの機材はすでに一切なく、プロペラエンジンと船首の辺りにはマハタやマダイなどが群がっています。船体右側の船底では、大きなロブスターが顔を出すことも稀ではありません。船の上部が横たわる海底30mの辺りにはポテト形の美しい珊瑚が広がり、何千もの魚たちが優雅に泳いでいます。ときには大きなエイに出会えることも!

遠く離れた南太平洋の海底に沈む日本船...訪ねてみたい!という方は、ぜひヌメアダイビングまでご連絡ください。

2002年9月 水深23メートルほどのフンボルトの近くにある大きな岩の下にノーチラスを発見。ヌメア水族館でも見ることのできるこのノーチラス、ふだんは深海200メートル〜500メートルほどのところに住み、ダイバーはまず見ることができない存在なのです。なぜそれほど浅い所にいたのか、、、疑問はつのるばかりなのですが、何しろ生ノーチラス。水族館の狭い水槽にジッとしているのと違い海で泳いでいるのです。

たくさんある触手は活発に動き、手でそっと持ってみると意外にも泳ぐ力がとても強く、片手では持っていられないような泳ぎっぷり。手をはなしてみると、器用に元いた岩の下に戻って行くのです。

発見から泳いでいる姿、そして生ノーチラスを思い出すだけで、感動に浸れるのです。ニューカレドニアの海で素晴らしい生物に出会いませんか?

サンバーント
ファンダイブページに戻る