The Caledonian TOHO Vカレドニートーホー5

ヌメアから船で50分ほど、アメデ島近くのタブーリーフより50メートル離れたところで静かに眠っているのは、2000年12月、ダイナマイト約80キログラムを使い、ダイバーのために沈められた全長50メートルの元日本のマグロ漁船トーホー5。

船底にはイソギンチャクがつき、流れの早い日にはプランクトンを補職しようと美しく咲き乱れ、大型のバラクーダや、コガネアジの群れなどが回ってくることも。ダイナマイトであいた穴のところにいるのはスザクサラサエビ、赤い体がライトに照らされるとくっきりと美しい。

船首横と船尾部分には、カレドニートーホ−5、ヌメアと船名が記してある。パイロットルームに入ったり、マグロを運んでいたのであろうベルトコンベアーをたどってみたり、普通に船に乗っていてはなかなか見られないエンジンルーム、機械部分をじっくりと見ることができたり、、、日本の船だったこともあり、船内には和式トイレも、日本式浴槽もある。ニューカレドニアの海に和式トイレが眠っているのは必見? 

マダラハタ、タマカイ、ナポレオンフィッシュなどの大型の魚がひっそりと船の横で待っていることもある。

また船前方には小さなブラックコーラルの固まりがあり、スカシテンジクダイが群れ、エビやウツボがいる。ハナビラクマノミのすみかのイソギンチャクなども。

トーホ−5の歴史、活躍、爆破、、、

2000年12月21日、木曜日、午前9時27分。太陽が少し錆び付いたトーホ−5の船体を照らして、海は凪。
9時33分、大きな煙の幕が漁船を包み込み、50メートル上空まで金属片が飛び、その後80キロのダイナマイトの轟音のエコー。

海中に眠る前、カレドニートーホ−5は、たくさんの漁師の生活の場所だった。
時には乗員たちは何ヶ月も漁のため船上で生活をし、高緯度地域から寒冷地域まで、嵐の中も移動をし、太平洋で育ったマグロを捕っていた。
昼夜なく、漁師は130キロメートルもの長さのフィッシングラインを船から流し、天候が良かろうと悪かろうと、1時間後には、3,500の釣り針を引き上げる。
長い海上での日々、漁師は休むことなく船の手入れもする。トーホ5は、まぎれもなく、彼らの誇りそのものでもあった。暇があると彼らは船の美しさと海の調和をお互いに褒めたたえていた。
2000年12月21日、9時33分、漁師たちの喜びと悲しみは、アメデ灯台近くのタブーリーフ横に古い船体とともに沈んだ。
そして現在、古くなった船体には、カラフルなブダイが住み着き、カスミアジの群れが大型保冷室、キャビンの周りを泳ぎ回る。

爆破から3分しないうちに、船首は海上にある一方、船尾は水中に沈み始める。
しかし浸水は免れず、その3分後、トーホ−5は永久に水中に姿を消した。。。
水面に泡と水流を残しながら、容赦なく、船は深度下に沈んでいく。
現在船は、水深26メートル、タブーリーフから50メートルの場所に、静かにたたずんでいる